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2012-01-18 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.325 平成21年2月25日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次  

1) 「糖尿病腎症」のなりやすさに関与する遺伝子

2) 老化が急速に進む早老症の発症メカニズム



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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは

1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を

増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の

なさから1週間に1回が限度となっています。これからも

当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識

を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って

おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので

どうかお許し下さい。



1】 「糖尿病腎症」のなりやすさに関与する遺伝子



 肥満や生活習慣が引き金になる2型糖尿病の代表的な合併症

「糖尿病腎症」のなりやすさに関与する遺伝子を、

理化学研究所の前田士郎(まえだ・しろう)チームリーダー

(内科学)らが突き止め、米専門誌に2月12日付で発表

しました。



 遺伝子のタイプによっては、発症リスクが1・6倍

高くなるということです。



 糖尿病腎症は国内で人工透析を始める原因のトップで、

糖尿病患者の3~4割が発症するといわれています。

チームは「糖尿病腎症の予防、治療研究へのインパクト

は大きい」と話しています。



 遺伝子は脂肪の代謝にかかわる酵素をつくる「ACACB」

です。



 チームは約1300人の2型糖尿病患者さんの血液を使って

「SNP」と呼ばれる塩基配列のわずかな個人差を解析

しました。その結果、ACACB遺伝子に特定の配列がある

患者さんは、糖尿病腎症を発症しやすいことが分かりました。

この配列を持つのは日本人の15%程度ということです。



 また培養細胞を用いた実験で、この配列があると

ACACBの働きが高まることも判明しました。

「この遺伝子の活性を抑える薬剤は、糖尿病腎症の新たな

予防薬や治療薬として利用できるかもしれない」と

前田チームリーダーは話しています。



 特定のDNA配列を排列して治療する。笑



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2】 老化が急速に進む早老症の発症メカニズム



 若くして老化が急速に進む早老症は、特有のタンパク質に

異常が生じ、細胞内で絡まったDNAがうまくほどけなく

なって起きることを奈良先端科学技術大学院大(奈良県生駒市)

のチームが突き止め、2月10日付の米科学誌に発表しました。



 北野健(きたの・けん)助教は「早老症の治療だけでなく、

人類の永遠のテーマの老化防止や、老化に伴って増えるガンの

研究にも役立てたい」と話しています。



 北野助教らは、10代半ばから2倍の速度で全身の老化が進み、

ウェルナーヘリカーゼというタンパク質の異常で起きる早老症

「ウェルナー症候群」に注目しました。大型放射光施設

「スプリング8」(兵庫県)を使って、健康な人の

このタンパク質の形を解析しました。



 すると、ナイフのような立体構造を持つことが判明しました。

DNAや、細胞の寿命を調節しているDNAの「テロメア」と

呼ばれる領域が入り組んだ形状になっても、ナイフが入り込んで

「リンゴの皮をむくように」(北野助教)、ほどく働きがある

ことが分かりました。



 患者さんのDNAではほどけないため、テロメアがどんどん

短くなるなどして老化が急速に進むと推測されました。

ウェルナーヘリカーゼの働きを抑えると、ガンの増殖が

抑えられるとの報告もあるということです。



 ガンと早老症の研究が、ガンガン進む。笑



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編集後記



 糖尿病性腎症を発症しなくすることが、医療費の

削減につながることは充分考えられます。透析の

導入は、医療費がかかるだけでなく、患者さんの

身体にも重い負担になります。医療費の削減よりも

患者さんの身体のことを考えて研究を進めていただき

たいものです。ガンと早老症の研究がウェルナー

ヘリカーゼという酵素でつながっていたとは驚き

です。患者さんの利益になるよう、研究を素早く

進めて頂きたいと考えています。

 研究という廊下を駆け上がって老化が抑えられると

素晴らしい。笑

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