医者冥利に尽きる瞬間。

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2012-01-08 00:00:00

カテゴリー:ブログ

町医者にとっても医者冥利に尽きる瞬間があります。それは、患者さんの口から「病気良くなったよ」と治療を褒められることです。「先生のおかげ」などと言ってくれたりすると、顔はポーカーフェイスでも、もうメロメロです。この言葉を聞きたいがために医師を続けているんだよと仰った先輩の医師もいました。病気に勝つには、まず病気のことを知らなければなりません。ただそうだからと言って自分の専門の病気しか診ないとか傲慢不遜なことを言っていると、やがて足をすくわれます。東日本大震災でも、被災地で役にたったのは、大病院の専門の先生ではなく、病院の総合診療科の医師や開業医でした。ことに在宅医療をやっている開業医は非常に役にたったとのことです。プライマリーケアーと言って一番最初に見る医者は、震災時の医療の場合、薬の調達がままならない環境のことが多くあります。そのような場合、科の垣根をとりはらえる医師の方が適応力が強いと言えるでしょう。ただ震災のボランティアをする医師の場合、自分の出世や名誉のだしにしようとする人もいるので要注意です。もちろん全員が全員そのような医師であるとは思いませんが、不幸にして大当りになってしまった場合は、患者さんがかわいそうです。私の場合、出世はもとより名誉を得る可能性もほとんでゼロですので安心していたける。と考えています。功名心をゼロにして無心に患者さんのことだけ考えていると、どんな難しい病気のどんな扱いにくい患者さんがやってきても、やがて道が開けてくると信じています。
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