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2012-01-07 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.323 平成21年2月11日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1)  分化の過程で体内時計が形成されるメカニズム

2) てんかんの発症を防いでいるタンパク質





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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは

1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を

増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の

なさから1週間に1回が限度となっています。これからも

当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識

を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って

おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので

どうかお許し下さい。



 

1】 分化の過程で体内時計が形成されるメカニズム



 体のリズムを約24時間周期で刻む体内時計が、

胚(はい)性幹細胞(ES細胞)や新型万能細胞

(iPS細胞)からさまざまな組織に分化する

過程で形成されることを、大阪大の八木田和弘

(やぎた・かずひろ)准教授らがマウス実験で

突き止め、米科学アカデミー紀要電子版に

1月25日発表しました。



 ES、iPS細胞では体内時計は発生していません

でした。八木田准教授は「未分化のガン細胞は

体内時計に異常があることが多い。今回の研究成果

は再生医療の際、危険のある細胞を見分ける基準

になる可能性がある」と話しています。



 また、体内時計が完成していない胎児期に、母体に

ストレスや生活リズムの乱れがあると、子どもの

体内時計にどう影響するのかの解析にも役立ちそう

ということです。



 実験では、細胞の体内時計が振動すると反応して

光る遺伝子を指標に、体内時計を観察できるES細胞

を作製しました。ES細胞では振動がありません

でしたが、培養して分化させると約2週間で

約24時間周期の振動が現れました。体内時計ができた

細胞からiPS細胞をつくると再び振動が消え、

そこから分化させた細胞ではまた周期的な振動が

始まりました。



 体内時計は、胎内時計。笑



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2】 てんかんの発症を防いでいるタンパク質



 脳内でてんかんの発症を防いでいるたんぱく質を、

自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)の

深田優子准教授(神経科学)ら日米のチームが特定

しました。別のたんぱく質と結合して、脳の

神経細胞の興奮を上手に調節しているということです。

1月25日付の米国科学アカデミー紀要(電子版)に

発表しました。



 てんかんは神経細胞が過剰に興奮する疾患で、

人口の約1%が発症するといわれています。

症状や背景は多様で、発症の仕組みはよく分かって

いません。



 チームは06年、神経細胞のつなぎ目のシナプス

から「LGI1」というたんぱく質を発見しました。

病気との関連を探るため、LGI1を作れないマウス

を作ったところ、すべてが生後2-3週間で

重いてんかん発作を起こして死にました。



 さらに、健康なマウスのシナプスで、LGI1の

働きを調べました。その結果、LGI1は神経細胞

の外に放出された後、別の2種類のたんぱく質と

結合し、シナプスに橋をかけるように存在すると

考えられました。一方、LGI1を持たないマウス

は、両たんぱく質がシナプス周辺に存在しません

でした。チームは3種のたんぱく質が正常に結合

することで脳の興奮を調節し、てんかん発症を

防いでいると結論付けました。



 チームの深田正紀教授は「LGI1を補うなど、

新しいタイプの抗てんかん薬開発につながる

可能性もある」と話しています。



 てんかんから転換したい。笑



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編集後記



 未分化の細胞には、体内時計がなく、分化した過程で

生まれるというのは、興味深い結果であると考えて

います。ガン細胞も未分化ですが、体内時計がないの

ではなく、狂っています。分化が中途半端に起こった

ことでできたガン細胞を分化後の細胞の中

から除外しないと再生医療は進まないでしょう。

心筋細胞のようにミトコンドリアリッチの細胞を分化

しているものとしてより分ける方法などが今まで

考えられてきました。しかしミトコンドリアリッチな

細胞という特徴がなくても正しく体内時計が動いて

いる細胞をより分けられれば、再生医療は長足の進歩

をとげるのではないでしょうか?



 秋季は周期的トレニングが多い。笑



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