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2020-07-23 22:43:59

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診療マル秘裏話  号外Vol.1598 令和1年9月20日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 

 

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

 

 

 

 

 

 

 

目次

1)腸内細菌制御の新規粘膜ワクチンを開発したと発表
2)膵臓がんを抑制する線維芽細胞特異的マーカー同定

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

1】腸内細菌制御の新規粘膜ワクチンを開発したと発表

 

 

 

 

 

 

 

 

大阪市立大学は8月23日、全
身の粘膜において致死的な感染
症だけでなく、疾患特異的な腸
内細菌の制御へ応用できる新規
粘膜ワクチンを開発したと発表
しました。この研究は、同大大
学院医学研究科ゲノム免疫学の
植松智教授、藤本康介助教(東
京大学医科学研究所国際粘膜ワ
クチン開発研究センター自然免
疫制御分野を兼任)らの研究グ
ループによるものです。研究成
果は、国際科学雑誌「Gastroen
terology」にオンライン掲載さ
れています。次世代シークエン
サーをはじめとしたゲノム解析
技術の進歩に伴い、常在微生物
叢解析(特に腸内細菌叢解析)
が、盛んに行われるようになり
ました。消化管をはじめとする
粘膜面には、免疫グロブリンA
(IgA )が多量に存在し、粘膜
免疫防御機構の一端を担ってい
ますが、あらゆる粘膜面に対し、
自在に抗原特異的IgA を誘導す
る技術はこれまで存在しません
でした。

一方、近年では肥満、糖尿病、
動脈硬化、炎症性腸疾患、関節
リウマチ、大腸がん、パーキン
ソン病などさまざま疾患におい
て、腸内細菌叢の乱れと疾患と
の関係性が明らかにされてきま
した。実際に、疾患の発症と直
接的に関わる腸内細菌も発見さ
れ、胃がんにおけるピロリ菌の
ように、疾患の発症予防のため
に除菌が期待されています。し
かし、抗生物質は有益菌も殺傷
してしまうため、腸内細菌の乱
れを助長する可能性があり、病
原常在腸内細菌だけを特異的に
排除できる方法が求められてい
ます。

研究グループは今回、これまで
行ってきた腸管粘膜固有層の樹
状細胞やIgA の誘導メカニズム
解析を基盤として、IgA 誘導能
を持つ腸管型の樹状細胞の末梢
組織での誘導を検討しました。
今回の研究では、自然免疫受容
体として知られているToll様受
容体9番のリガンドであるCpG-O
DNおよびDectin-1のリガンドで
あるcurdlan (細菌の菌体成分)
を用いた新規粘膜ワクチンを開
発しました。この粘膜ワクチン
を用いると、全身のリンパ節に
抗原特異的なメモリーB 細胞が
誘導され、粘膜面へ抗原を加え
ることで抗原特異的なIgA を自
在に誘導することが可能となり
ました。

肺炎球菌性肺炎は、日本におけ
る市中肺炎の最大の原因であり、
致死的な感染症となり得ること
が知られています。そこで、肺
炎球菌抗原を用いて肺炎球菌に
対するワクチンを作成し、肺炎
球菌感染の制御について検討し
ました。ワクチン接種6週間後
に肺炎球菌抗原を経鼻投与した
結果、気管支肺胞洗浄液中の抗
原特異的なIgG とIgA が上昇す
ることが判明しました。さらに、
肺炎球菌を感染させると、同研
究で開発した新規粘膜ワクチン
を接種している群では、肺炎球
菌の定着が阻害され、重篤な肺
炎が起こらないことが明らかと
なりました。さらに、肥満・糖
尿病で増加することが報告され
ている腸内常在細菌「クロスト
リジウム ラモーサム」に特異
的なワクチンを作成し、ヒト肥
満者の糞便を定着させたノトバ
イオートマウスに接種した所、
肥満・糖尿病モデルで有意な改
善を示したということです。

今回の研究成果である新規粘膜
ワクチンの方法をヒトで実用化
することにより、病原体の侵入
門戸である粘膜において、強力
な粘膜免疫応答を誘導でき、「
発症する前に抑制する」という、
全く新しいコンセプトのワクチ
ンの開発が期待されます。研究
グループは、「このワクチンの
方法を、疾患特異的な腸内細菌
を標的として応用することで、
これまで制御できなかった腸内
細菌叢の乱れに関連するさまざ
まな難治性の疾患に対する新た
な治療アプローチとして使える
可能性が期待される」と、述べ
ています。

粘膜ワクチンについて解説して

いる動画です。

 

 



 

 

 

疾患特異的な腸内細菌の得意
分野を調べる。      笑

 

 

 

 

 

 

 

 

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2】 膵臓ガンを抑制する線維芽細胞特異的マーカー同定

 

 

 

 

 

 

 

 

名古屋大学は8月22日、膵臓
ガンを抑制する線維芽細胞の特
異的マーカー「Meflin(メフリ
ン)」を同定し、ガンの周りに
増生する線維芽細胞の性質の多
様性がガンの促進や抑制に影響
することを見出したと発表しま
した。この研究は、同大学大学
院医学系研究科の髙橋雅英教授、
榎本篤准教授、藤城光弘教授、
水谷泰之病院助教、島村徹平教
授らと、北海道大学の芳賀永教
授、藤田医科大学の廣岡芳樹教
授、重井医学研究所の松山誠室
長らとの共同研究によるもので
す。研究成果は、米国ガン学会
誌「Cancer Research」のオン
ライン版で掲載されました。膵
臓がんなどの難治ガンの特徴の
ひとつは、ガン細胞の量と比べ
て間質の量が非常に多く、その
間質中に多くの線維芽細胞の増
生を伴うことです。線維芽細胞
は身体のすべての臓器に存在し、
それらの形や構造の維持に必須
の細胞。がんが発生すると、ガ
ン細胞から産生されるさまざま
な因子によってガン関連線維芽
細胞(CAF )が増えます。CAF
は、ガン細胞の悪性化を促進す
る機能を有しており、CAF を標
的とした新規治療法の開発が期
待されています。

CAF は免疫細胞と同様に多様性
に富む存在であり、「ガン促進
性CAF 」と「ガン抑制性CAF 」
の両者が存在する、という仮説
が提唱されています。しかし、
後者の細胞の本態や特異的マー
カー分子は明らかになっていま
せん。研究グループは、以前に、
間葉系幹細胞のマーカーとして
同定された膜型分子Meflinが、
膵臓ガンのCAF の一部の種類に
発現していることを明らかにし
ています。今回の研究で、膵臓
ガン発症マウスモデルでMeflin
遺伝子を欠失させると、ガンの
進行を促進することを発見しま
した。Meflin陽性CAF を欠失し
たマウス個体では、より悪いタ
イプ(低分化型)の膵臓ガンが
高頻度に出現することが明らか
になりました。また、膵臓ガン
細胞の移植実験で、Meflin陽性
CAF を除去すると腫瘍の増殖が
盛んになり、ある特定の細胞の
運命を追跡する実験では、ガン
の進行に伴って、Meflin陽性CA
F が別のタイプのCAF に分化す
ることも見出したということで
す。

さらに、コラーゲンなどの細胞
外基質を観察するための特殊な
顕微鏡を用いた検証から、Mefl
in分子の機能は間質の硬化やガ
ン細胞の悪性化に結びつく細胞
外基質の改築の抑制であること
も判明しました。これらの結果
から、Meflin陽性CAF は、これ
まで本態が不明だったガン抑制
性CAF の可能性が示唆されまし
た。また、ガンの進行に伴って
CAF におけるMeflinの発現が低
下し、CAF がガンの進行を促す
細胞に変化する、すなわち「ガ
ン抑制性CAF 」から「ガン促進
性CAF 」に形質転換する可能性
も示されました。

また、研究グループは、線維芽
細胞にビタミンD を投与するこ
とでMeflinの発現が上昇するこ
とも明らかにしたという事です。
現在、米国では既存のガン薬物
療法にビタミンD を組み合わせ
た治療法の治験が複数進行して
おり、それらの結果と今回の研
究成果の関連の解明も期待され
るとしています。

現時点では、ガン抑制性CAF の
存在は、膵臓ガンのみで提唱さ
れているものであり、他のガン
に関しては詳細に解析されてい
ません。 研究グループは今後、
「他のガンでも、ガン抑制性CA
F の存在の有無を確認していく
必要がある」と、述べています。

ガン関連線維芽細胞の動きにつ

いて解説している動画です。

 

 



 

 

 

新興国で複数のプロジェクト
が進行中である。     笑

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

編集後記

 

 

 

 

大阪市立大学が8月23日、全
身の粘膜において致死的な感染
症だけでなく、疾患特異的な腸
内細菌の制御へ応用できる新規
粘膜ワクチンを開発したと発表
したのは、素晴らしい業績です。
消化管をはじめとする粘膜面に
は、免疫グロブリンA(IgA)が
多量に存在し、粘膜免疫防御機
構の一端を担っていますが、あ
らゆる粘膜面に対し、自在に抗
原特異的IgA を誘導する技術は
これまで存在しなかったという
ことなので画期的な技法を開発
したと言えるでしょう。新規粘
膜ワクチンを接種している群で
は、肺炎球菌の定着が阻害され、
重篤な肺炎が起こらないことが
明らかとなり、さらに、肥満・
糖尿病で増加することが報告さ
れている腸内常在細菌「クロス
トリジウム ラモーサム」に特
異的なワクチンを作成し、ヒト
肥満者の糞便を定着させたノト
バイオートマウスに接種した所、
肥満・糖尿病モデルで有意な改
善を示したということですので、
あらゆる感染症に関わる病気に
対する応用が楽しみです。
名古屋大学が8月22日、膵臓
がんを抑制する線維芽細胞の特
異的マーカー「Meflin(メフリ
ン)」を同定し、がんの周りに
増生する線維芽細胞の性質の多
様性ががんの促進や抑制に影響
することを見出したと発表した
のは、偉大な業績です。 がん
が発生するとがん細胞から産生
されるさまざまな因子によって
がん関連線維芽細胞(CAF )が
増えるとされています。CAF は、
がん細胞の悪性化を促進する機
能を有しており、CAF を標的と
した新規治療法の開発が期待さ
れています。 膵臓がん細胞の
移植実験で、Meflin陽性CAF を
除去すると腫瘍の増殖が盛んに
なり、ある特定の細胞の運命を
追跡する実験では、がんの進行
に伴って、Meflin陽性CAF が別
のタイプのCAF に分化すること
を示唆しているようです。腫瘍
の増殖に関わるこれらの細胞は、
本当に微妙な関係にあります。
骨髄由来免疫抑制細胞の働きも
ビタミンD の分化により、成熟
した樹状細胞とマクロファージ
に分化することによってがんに
対する免疫の力を上昇させるよ
う働くということがどのように
絡んでくるのか、ワクワクする
次第です。

異色の移植実験が行われる。


 

 

 

 

 

 

 

 

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