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2012-03-29 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.335 平成21年5月6日作成



作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1)  皮膚や骨髄中の「多能性幹細胞」

2) がんの転移と脳の成長の療法に関わる酵素





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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは

1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を

増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の

なさから1週間に1回が限度となっています。これからも

当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識

を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って

おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので

どうかお許し下さい。





 

1】 皮膚や骨髄中の「多能性幹細胞」



 人間の皮膚や骨髄の中に、さまざまな細胞に分化する能力

を持つ「多能性幹細胞」が存在するとの研究結果を東北大の

出沢真理(でざわ・まり)教授らと京都大のチームが4月

20日付米科学アカデミー紀要(電子版)に発表しました。

この細胞を「Muse(ミューズ)細胞」と名付けました。



 増殖力は高くないが、出沢教授は「そもそも生体内にある

細胞で、遺伝子導入など特別な操作を必要とせず、腫瘍

(しゅよう)化の危険性は低い」と安全面の利点を強調して

います。胚(はい)性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞

(iPS細胞)に取って代わるものではないが、再生医療に

利用できるとの見方を示しました。



 出沢教授らは、体の中に多能性幹細胞が存在し、ストレスを

受けると活性化すると想定しました。人間の皮膚の線維芽細胞

や骨髄の間葉系細胞を酵素で処理しストレスをかけると、

ES細胞に似た細胞の塊ができ、これをMuse細胞としました。

一定の大きさまでは成長しますが増殖はそこで止まりました。



 別の方法で培養すると神経(外胚葉系)、筋肉(中胚葉系)、

肝臓(内胚葉系)というそれぞれ別系統の細胞に分化しました。

多能性を確認したと話しています。



 細胞表面の特定の目印を識別する方法で、骨髄液から直接

Muse細胞を取り出すことができました。培養方法を

組み合わせると増殖も可能でした。



 マウスの実験で皮膚、筋肉、肝臓を傷つけMuse細胞を

投与すると損傷組織に生着し、その組織の細胞に分化しました。



 今後、どんな細胞に分化できるかや、治療につなげる方法の

研究を進めたいと話しています。



 間葉系細胞は、再生医療で最も肝要だ。笑



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2】 がんの転移と脳の成長の療法に関わる酵素



 がんの転移にかかわる酵素が、脳を成長させたり修復したり

する働きを担っていることを、大阪バイオサイエンス研究所の

榎本和生・研究部長らがショウジョウバエを使った研究で

明らかにしました。4月20日付の米科学誌

ディベロップメンタル・セルに発表しました。



 幼児期の脳は、音や光に反応して神経回路の再編を繰り返し、

複雑なネットワークを作り上げます。



 榎本さんらは、この再編が起こらない突然変異の

ショウジョウバエを発見しました。細胞を取り巻く物質を溶かす

「Mmp」という酵素を作れないことを突き止めました。

この酵素は神経線維が通るべき場所を作り、ネットワークを

完成させていました。



 人間のMmpは、がん細胞が病巣から飛び出して別の場所へ

転移する際に働くとされています。てんかん発作や血流の低下で

脳がダメージを受けた時にもMmpが検出されていましたが、

役割は不明でした。榎本さんは「脳のMmpの異常は精神疾患

などにつながると考えられ、詳しく調べれば診断や予防に役立つ」

と話しています。



 脳の成長には、Mmpは欲しいけど、がんの転移にはノーです。笑



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編集後記



 再生医療に、ミューズ細胞は、大変有用でしょう。

ただ古くから皮膚や骨髄の間葉系細胞は、再生医療

に用いられており、目新しいことは何もないという

意見もあります。ES細胞との比較で多能性の範囲が

どの程度狭まるかが、今後の研究の焦点になるもの

と考えられます。Mmpのように人体では、機能が

多岐にわたる酵素がたくさん存在する物と考えられて

います。さらなる深い研究が待たれるところです。



 商店で焦点となったのは、笑点を見ていたかと

いうことでした。笑

 

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2012-03-22 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.334 平成21年4月29日作成



作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1)  老人斑が無くてもアルツハイマー病は発症する

2) 大人の脳の神経回路の形成、維持に必要な蛋白質





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1】 老人斑が無くてもアルツハイマー病は発症する



 アルツハイマー病の特徴の一つとされる脳の

「老人斑(アミロイド斑)」がなくてもアルツハイマー病

の症状が起きることを、大阪市立大などの研究チームが

マウスで実証しました。老人斑を抑制するだけでは有効な

予防や治療にならない可能性があります。米神経科学会誌

(電子版)に掲載されました。



 老人斑はアミロイドベータ(Aβ)というたんぱく質が

繊維状につながったもので、アルツハイマー病の原因の一つ

と考えられています。しかし、実際の患者さんの症状の重さ

と老人斑の数が比例しなかったり、老人斑がなくても発症

するケースがヒトで報告されていました。



 富山貴美(とみやまたかみ)・大阪市立大准教授

(脳神経科学)らは、患者の脳では老人斑だけでなくAβの

分子が数個~数十個集まった「重合体」も蓄積されている

ことに着目しました。



 そこで重合体はできるが老人斑はできない遺伝子改変マウス

を作製しました。8カ月ごろからAβの重合体が目立って増え

ました。それに伴い、記憶中枢である海馬では神経細胞が減少

し、平均寿命に近い24カ月(ヒトの80歳程度)では普通の

マウスの半分近くになりました。



 プール内の休憩場所を覚えさせる記憶テストでも、8カ月の

遺伝子改変マウスは同月齢の普通のマウスが1週間程度で覚える

課題をこなせませんでした。チームはこうした症状から、

老人斑のないマウスもアルツハイマー病を発症したと結論づけ

ました。



 八升の酒を飲んで、病気を発症した。笑



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2】 大人の脳の神経回路の形成、維持に必要な蛋白質



 大人の成熟した脳で神経回路が形成、維持されるのに、

2種類のタンパク質の複合体が重要な役割を果たしている

ことをマウスの実験で解明したと、慶応大の柚崎通介

(ゆざき・みちすけ)教授(神経生理学)らが4月

16日付の米科学誌サイエンスに発表しました。



 この複合体が、小脳で神経細胞の接着や成熟を促す

ことを確認しました。小脳の病気による運動障害の

新たな治療法開発につながるのではないかということ

です。



 人間の脳は、1千億個を超える神経細胞が結合し

神経回路をつくっています。細胞と細胞のつなぎ目

である「シナプス」は発達に伴って形成され、大人

になってからも学習によって改変されるが、大人の

脳でシナプスがどのように形成、維持されるかは

よく分かっていませんでした。



 柚崎教授らは大人のマウスを使った実験で、小脳に

ある顆粒(かりゅう)細胞とプルキンエ細胞という

2種類の神経細胞の間で、「Cbln1」と

「GluD2」という2種類のタンパク質が複合体を

形成し、細胞と細胞の間で「のり」のように働いて

接着を促していることを突き止めました。



 これらに似たタンパク質は、記憶や学習に関係する

海馬や大脳皮質にもあり、柚崎教授は「将来は、

認知症や精神神経疾患の治療法開発にも役立つ

のではないか」と話しています。



 のりのりの研究者がのりの研究を始めた。笑



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編集後記



 認知症の発症を抑えるためには、老人斑だけではなく

β-アミロイドの重合体も抑える薬物が必要ということ

が分かりました。子供の神経回路の形成については、

様々な研究がなされ、それが教育に生かされるという

ことは充分にされてきたと思います。でも人間は子供

だけではありません。大人の神経回路の形成・維持に

ついてもこの研究を突破口として充分大人の教育に

生かされるよう努力して欲しい者です。



 十分で充分という仕事はありません。笑

 

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2012-03-15 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.333 平成21年4月22日作成



作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1)  神経細胞の発達に関与する因子

2) インフルエンザの新薬







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1】 神経細胞の発達に関与する因子



 幼児期に脳の神経回路が形成される際、神経細胞が外部

から刺激を受けて活発に活動することで細胞間の結合が

より強化されることを大阪大と東京大のチームが突き止め、

4月5日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表しました。



 山本亘彦(やまもと・のぶひこ)大阪大教授(神経生物学)

は「先天的な要因だけでなく、視覚や聴覚などの五感から

受ける後天的な環境も脳の発達に影響している。”氏と育ち”

の両方が重要だ」と話しています。



 チームは試験管内で脳の神経細胞の配線を再現しました。

神経回路をつくる軸索の起点となる脳の「視床」と、軸索が

のびる標的となる「大脳皮質細胞」で、刺激を受けたときに

出る電気的パルスをそれぞれ観察し、細胞の活動が軸索の

枝分かれに与える影響を調べました。



 すると、視床と大脳皮質細胞のどちらか一方でも活動が

弱いと枝分かれは起こらず、両方が同時に活発な場合にのみ

枝分かれが促進され、神経細胞間の結合が強化されることが

分かりました。



 いい伝承は、いい遺伝、いい環境は、いい感興をもたらす。笑



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2】 インフルエンザの新薬



 国が承認審査を進めている初の純国産インフルエンザ治療薬

「CS-8958」(一般名・ラニナミビル)がタミフル耐性

ウイルスに効果があることを、けいゆう病院(横浜市)の

菅谷憲夫・小児科部長らが確かめました。米国微生物学会誌

(電子版)に掲載されました。



 菅谷部長らは08-09年、患者さん184人を分けて

ラニナミビルとタミフルを投与しました。同シーズンは

Aソ連型(H1N1型)でタミフル耐性ウイルスが流行し、

試験した患者さんでも約95%が感染しました。すると、

ラニナミビルを投与した患者さんはタミフルを投与した患者さん

より平均60時間以上早く回復しました。一方、タミフル耐性

でなかったA香港型(H3N2型)やB型に感染した患者さん

の治療効果に差はありませんでした。



 ラニナミビルはリレンザと同じ吸引式で1回の服用で済みます。

これまでの試験でA型、B型の季節性ウイルス、さらに新型

(H1N1型)、強毒性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)

に対する効果も確認されています。



 菅谷部長は「来シーズンまでにはラニナミビルが承認され、

新型のウイルスがタミフル耐性になっても効果が期待できる」

と話しています。



 五回が一回になっても、誤解しないでね。笑



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編集後記



 幼児期の子供には、良い環境を与えてあげること

が脳の発達にとって重要と考えられます。無防備な

時にこそ良い環境を与えて、最大限その子の能力が

発揮できるようになるといいですね。インフルエンザの

新薬はラニナビルだけではありません。続々と有効な

新薬が開発されています。来シーズンまでに上梓され

れば、来シーズンからでも使いたいと考えています。

 

 耐性ウイルスが大勢になっても、新薬がある。笑

 

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2012-03-08 00:00:00

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診療マル秘裏話 Vol.332 平成21年4月15日作成



作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1)  膵臓の自己再生力

2) 運動不可のメタボ患者さんの治療







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1】 膵臓の自己再生力



 再生しない臓器と考えられてきた膵臓(すいぞう)に

自己再生力があることを名古屋大の洪繁(こう・しげる)

助教らの研究チームが解明し、3月31日までに発表

しました。近く米医学誌に掲載されます。洪氏は

「さらに詳細なメカニズムを明らかにすれば、膵臓の

機能障害による糖尿病治療などに役立つだろう」と

話しています。



 自己免疫システムの関与が疑われ、中高年男性に多い

「自己免疫性膵炎」の患者さんの組織検査で判明

しました。この膵炎はステロイド治療が一般的ですが、

詳細な病態や改善のメカニズムは不明でした。



 洪氏らは、この膵炎患者さんは消化酵素を分泌する

腺房細胞がほぼすべて失われていることを突き止めました。

その上で、ステロイド投与後の組織を調べると、消化酵素

の分泌量が投与前に比べ3カ月後で約3倍、1年後で約5倍

に増えているのを確認しました。消失した腺房細胞が一部で

再生しており、成人の膵臓にも再生力があると結論付け

ました。



 特殊なマーカーで再生した腺房細胞群の中心付近を調べ、

膵臓のもととなる幹細胞の存在を確かめたということです。



 腺房細胞が再生したのは、羨望の的。笑



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2】 運動不可のメタボ患者さんの治療



 脂肪細胞が分泌するホルモン「アディポネクチン」が、

筋肉細胞で働いて糖や脂質の代謝を高めて体内での燃焼を

進め、運動したのと同様の作用を果たすことを、東京大

の門脇孝(かどわき・たかし)教授らのチームがマウスの

実験で解明し、4月1日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表

しました。



 糖尿病やメタボリック症候群の人は、アディポネクチン

が出にくくなることが知られています。人でもマウスと

同じ作用があるとみられ、この仕組みを活性化する薬が

開発できれば、薬を飲んだだけで運動をしたのと同様の

体質改善効果が期待できるということです。



 チームは数年後の臨床応用を目指して薬剤開発を

進めています。門脇教授は「高齢やけが、足腰の病気

などで思うように運動できない人で、糖尿病などの

生活習慣病の治療に役立つだろう」と話しています。



 チームは、筋肉細胞で起きている代謝の仕組みを分子

レベルで解析しました。細胞表面にある受容体に

アディポネクチンがくっつくと、異なる二つの経路で

細胞内に信号が伝わり、糖などの代謝にかかわる

細胞内器官のミトコンドリアの働きが強まるのを発見

しました。



 細胞にアディポネクチン受容体を持たない遺伝子操作

マウスでは、燃え残った脂質が筋肉にたまり、運動時の

持久力も落ちました。アディポネクチンの働きを補う薬剤

を投与すると、代謝が少し改善することも確かめました。



 ただアディポネクチンそのものは体に吸収されにくく、

人の飲み薬にするには改良が必要といわれています。

チームは受容体に直接働いて高い効果が期待できる薬剤の

開発を目指しています。



 社長の代謝が良くなり大赦で円満退社した。笑



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編集後記



 再生医学の進歩は、凄まじいものですが、臨床応用

には、国の審査が必要になります。糖尿病の壊疽の

ように病気の進行の方が血管の再生よりも速い場合は

あまり再生医療は有効とは言えないようです。膵臓の

細胞で再生能力が確認されたというのは、糖尿病の

患者さんにとって朗報といえるでしょう。しかし、

実際の国の審査に時間がかかりすぎれば、臨床応用

するまでの間に外国に成果を持ち逃げされる可能性

もあります。一方こうした新しい再生医療の安全性を

重視するために審査に時間をかけているという実情

もあるのです。あせらず正攻法でなおかつ病気の性状

も勘案の上研究と臨床応用を進めて頂きたいものです。 



 有効期限のない友好関係。笑



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2012-03-01 00:00:00

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診療マル秘裏話 Vol.331 平成21年4月8日作成



作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1)  RNA干渉を用いたがんの遺伝子治療

2) 再生医療の研究と国の指針の問題点





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1】 RNA干渉を用いたがんの遺伝子治療



 ヒトにおいて、腫瘍細胞に入り込んで癌(がん)を引き起こす

毒性蛋白(たんぱく)質の産生を阻害する遺伝子操作療法の使用

に初めて成功した研究が報告されました。RNA干渉(RNAi)として

知られるこの遺伝子操作療法は、RNA干渉の過程で二本鎖RNAを

合わせていわゆる“短い二本鎖RNA”(siRNA)を形成し、それを

細胞内に導入します。細胞内に入ったsiRNAは、特定の蛋白質生成

に通常用いられるメッセンジャーRNA(mRNA)を分解し、その

遺伝子発現を抑制します。この発見は2006年にノーベル賞を受賞

しましたが、研究には線虫が用いられていました。



 米カリフォルニア工科大学(CalTech、パサデナ)化学工学教授

のMark E. Davis氏らは、身体に注入すると腫瘍まで進み、siRNAs

を腫瘍細胞に導入し、指定されたタスクを行わせる極小のナノ粒子

システムを考案しました。今回の第1相臨床試験は、実際の

メラノーマ患者さんを対象に実施されました。



 治療後の生検によって、試験は計画どおりに進んだことが確認

されました。同氏らは、腫瘍に直接的ではなく、インフルエンザや

他の皮下注射と同様にナノ粒子を患者さんに注射しました。ナノ粒子は

順調に標的となる腫瘍細胞に向かい、適所のmRNAに付着し、問題の

蛋白質の産生を停止させました。研究結果は、英科学誌「Nature

(ネイチャー)」オンライン版に3月21日掲載されました。



 Davis氏は「副作用を抑えるにはプロセスの正確さが非常に重要

である。疾患に関与する蛋白質に選択的に向かうことができ、

標的外の影響を生じることなく、遺伝子レベルで攻撃して排除

したい蛋白質を排除する」という。同氏らは、同システムが、

多くの異なる遺伝子に到達し、これまで薬物療法をすり抜けてきた

腫瘍に作用する高度に標的化した選択的方法になると考えています。



 米フォックス・チェイスFox Chase癌センター(フィラデルフィア)

のGregory Adams氏は「実際に治療に使用するには改良や最適化が

必要なことは明らかである」としつつも、「これらは、基本的に

“この蛋白質を今発現させたくない”という指示書を細胞に導入

する。これは驚くべきことであり、大きな可能性を秘めている。

また、この療法は従来の遺伝子療法と異なり可逆的である」という

ことです。別の専門家も「これは、特定の蛋白質の産生を停止させる

ために癌を促進する遺伝メカニズムに直接干渉するものである」と

述べています。



 認知症のβ-アミロイドは、どうでしょうか?タンパク質の産生

を中止させれば、これは世界注視の研究です。笑



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2】 再生医療の研究と国の指針の問題点



 けがや病気で傷んだ組織や臓器を治す再生医療の応用に向けた

研究が加速しています。広島市で3月18、19日に開かれた

日本再生医療学会では、様々な細胞に変化できるiPS細胞

(新型万能細胞)やES細胞(胚性幹細胞)の基礎研究と並んで、

実際の治療を見すえた応用研究が次々と報告されました。一方で、

臨床応用に向けた国の審査を逸脱するケースも発覚するなど、

普及に向けた課題も浮き彫りになりました。





 「国の指針に抵触するのでは」「院内の承認は受けている。

抵触などというものではない」3月19日のシンポジウムで、

人の脂肪に含まれる幹細胞(脂肪幹細胞)を使った臨床研究

を国の審査を経ずに実施した名古屋大病院泌尿器科の報告に、

座長から厳しい質問が繰り返されました。



 前立腺がんの摘出で慢性尿漏れを起こした患者さんに、自分の

脂肪幹細胞を注射して尿道の筋肉の再生を促すもので、

後藤百万教授によると、2009年1-3月に70-80歳代

の男性計5人に実施しました。4人の症状が改善、尿漏れが

ほぼ止まった患者さんもいるということです。



 同科のグループはラットの研究を基に、08年9月に

医学部倫理委員会の承認を受けて着手しました。他の診療科

は国に審査を申請していることから、研究を一時停止し、

09年8月に申請したということです。一方で国には

臨床研究の実態は報告せず、同10月には韓国の国際研究会

でも「世界初の臨床研究」として発表していました。



 厚生労働省研究開発振興課は「人に対して行った時点で

指針に違反している」と指摘しました。名古屋大医学部も

調査委員会を設置するとのことです。後藤教授は

「知らなかったでは済まされない。認識不足を反省している」

と話しています。



 幹細胞で人を治療する臨床研究は、かつては各研究施設の

倫理委員会の審査だけで行っていたが、安全面で不明な点も

多いため、国が「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」

を作成しました。06年9月から施設だけでなく国との

二重審査が義務づけられました。



 国の審査では、移植する細胞に医薬品としても承認される

ほどの安全性を求めているほか、犬や豚など大型動物の実験

を重視しています。患者さんに対しては、効果を強調せず、

安全性を最優先する研究であることを説明して同意を得る

よう求めている。



 研究者の間では「指針が厳しい」とする意見があるのも

事実です。審査が数か月から1年以上かかるため、準備が

長引き、安全を確保するための機器や検査の費用もかさむ

ということです。



 今回の学会でも再生医療の実現に向けて課題を話し合う

シンポジウムで「指針が安全性を重視するあまり、臨床応用

や研究で得られた特許などの知的財産権の対策を遅らせて

いる」とする声が上がりました。



 厚労省の専門委員会では現在、体の組織にある体性幹細胞

に限っていた指針を見直し、ES細胞やiPS細胞などを

含めた新しい指針づくりを進めています。同学会前理事長の

中内啓光・東京大教授は、学会会期中に記者会見し、現行の

審査について「(研究段階で薬事法レベルの安全性を求める

のは)現実的でない、過剰な規制」として見直しを求め

ました。



 一方、指針作成時の専門委員長だった中畑龍俊・京都大教授

は「(再生医療の)可能性を強調し過ぎて、慎重さを欠くべき

ではない」と話しています。指針に法的な拘束力はないが、

「期待が高い分、社会に受け入れられるには安全性の議論を

重ねることが、むしろ近道だ」と強調しました。





 今回の学会では、体にもともと備わっている「体性幹細胞」

を生かした研究が多く紹介されました。



 名古屋大で問題となった脂肪幹細胞ですが、骨や血管、筋肉

など幅広く姿を変える能力が明らかになっています。マウス

やイヌの動物実験で歯周病で傷んだ歯茎や骨、心筋、肝機能

障害を回復させた例などが報告されました。安全でたくさん

採取できるので、普及しやすい材料として注目を集めて

います。骨髄に含まれる間葉系幹細胞を用いた研究はより実用

に近付きました。自治医大と京都大は、生体肝移植で移植する

肝臓につながる血管「門脈」から幹細胞を注入すると、酵素の

異常な増加を抑えて、移植した肝臓が良い状態で生着すること

をラットの研究で示しました。年内にも臨床研究を行う準備に

入ります。



 国の指針の承認を受けている臨床研究の発表もあり、東海大は、

椎間板ヘルニアなどの患者に幹細胞を移植した6例の経過を

報告しました。



 研究が先か、承認が先か、卵が先か、鶏が先か、水掛論

です。笑



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編集後記



 RNA干渉を用いた臨床研究の話は、凄すぎると思い

ました。βーアミロイドや神経難病の原因となって

いるタンパク質に生産不可の指令を与えれば、臨床

応用の範囲は広いと考えています。しかしそのような

臨床応用の広くできる研究でも、勇み足をしてしまう

と元も子もありません。国の指針の承認の規制緩和は

絶対に必要です。たとえば、上記名古屋大のUroの

ように、他の国で発表してしまうと国際競争力が

無くなって他の国でやった二番煎じの研究が賞を

もらったりすると残念ということにもなりかねません。



 閑話ばかりでは、緩和しすぎてしまいます。笑

 



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藤田 亨

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